「こどもの早期自立と知能発達は相関する」と考えられている中国では、2歳でオムツが取れるようトイレトレーニングを行っているらしい。
我が家の長男は、保育園の1歳クラス(2歳になる年)の下期あたりから、クラス全員でトイレトレーニングを開始した。最初はオムツのままで、トイレに行くことを習慣づける。
2歳クラス(3歳になる年)に上がると、防水シートがついたトレーニングパンツを履かせる。オムツは吸収性が高いので、催した後も不快感がない設計になっているのだが、パンツを履くことで「濡れたら気持ちが悪い」という感覚を繰り返すことで「催す前にトイレに行く」という習慣が身につくのだ。
「まあ、『3歳の夏が勝負』だと聞くし、気長にやれば良いや…。」そんな風に思いながら、我が家は一応、家でもトレーニングパンツを履かせて過ごしていた。
しかし、今年の上期いっぱいかけてトイレトレーニングをしても、うまく習慣化できなかった。
しかも、最初のうちは自己申告できていたのに、次第に平気で漏らすようになった。しまいにはパンツを履きたがらなくなり「オムツが良い!」と駄々をこねるようになってしまった。
寝る前にトイレへ行かせようとしても、行きたがらない。朝、起きたらパンツがびしょびしょでも平気で寝ている。
そんなこんなでなぜか後退しているうちに3歳半になり、さすがの私も焦り出した。
これは、そんな我が家がトイレトレーニングを見直し、1ヶ月で習慣化に成功した記録である。
トイレトレーニングの前提知識
まず、トイレトレーニングをするにあたり、前提知識を収集してみた。
ベネッセによると、トイレトレーニングは2歳代に始めるケースが最も多い。
早い子どもで1歳、遅くても3歳後半から始める人が多いそうだ。

(引用:ベネッセ)
また、男の子と女の子とでは、体の作りの違いから、男の子の方が「おしっこが出た感覚」が分かりづらいらしい。
季節によって、トレトレーニングのしやすさ・しにくさも変わってくる。
「3歳の夏が勝負」というのは、子どもがパンツでお漏らしをしても風邪を引きづらかったり、子ども自身も感覚的にトレーニングしやすいという理由から生まれた言葉だ。
秋冬になると、男の子は膀胱が冷えて「トイレに行きたい」という感覚が春夏よりも分かりづらくなると言われている。
もちろん、子どもの発達具合は個性があるので、年齢・月齢で一概にラインを引けるものではない。
トイレトレーニングを開始する発達の目安は、以下の通り。
- 自分で歩いてトイレに行ける
- 親と簡単な言葉で意思疎通が取れる
- 膀胱が発達するにつれ催す間隔がのび、大体2時間くらい間隔があく
我が家のトイレトレーニングが失敗した理由

「我が家はトイレトレーニングに失敗している」と思った理由は、いくつかある。
まず、最初のうちは出来ていた「自己申告」をしなくなってしまったこと。
そして、保育園の先生に相談すると「保育園ではうまく出来ている」ということ。
つまり、家庭でトイレがうまく出来ないということは、家庭に何かしらの原因がある可能性が高い。
我が家では、長男の大好きなアンパンマンの子ども用便座を使っていて、最初のうちは長男も喜んで使っていた。
しかし、次第に「トイレに行きたがらない」言動が見受けられるようになったのだ。
日常を観察しながら考察していると、トイレトレーニングに失敗した理由がいくつか浮上してきた。
一つ目は、どうやら夫が強制的にトイレへ連れて行くのが嫌らしい。
朝、出勤前などどうしてもバタバタしている時は、両親とも急いでいる。
夜も、なかなか寝用途せず言うことを聞かない子どもを相手にしていると、どうしてもイライラしてくる。
そのため、テレビに夢中になっている長男を無理やり抱っこしたり、叱りつけながらトイレへ連れて行く言動がしばしば見受けられた。
そして、二つ目は、おそらく私の言動だ。
トイレトレーニングは、成功と失敗の繰り返し。成功したら思い切り褒めるのは良かったのだが、失敗した時に「なんで〜!」という気持ちが前面に出てしまい、子どもに強いトーンで「うんちが出る前に教えてね!」と繰り返し伝えていた。
そんなことを繰り返しているうちに、長男にとって「うちのトイレ=楽しくない、煩わしい場所」になってしまったのだ。
シール貼りは我が子に効果なし…。
なんとなく原因が分かったので、夫も私も声かけの仕方を反省し、見直した。
しかし、いちど罹ったトラウマは、なかなか拭い去ることができない。
声かけを見直したところで、長男の「トイレ嫌い」は改善の兆しが見られなかった。
トイレトレーニングに成功した人のブログも読み漁った。
よくあるのは「シール貼り」作戦だ。トイレのドアにシール貼りの台紙を貼って、トイレが成功するたび、子どもにシールを貼らせて達成感を醸成する、というものである。
しかし、我が子はシール貼りに魅力を感じないタイプの子どもであった。
このブログを読んでくださっているご家庭のお子さんも、シール貼りに飛びつくほど興味があるお子さんは、そんなに多くないのではないだろうか…?と勝手に想像しているが、どうだろう。
子どもの好きなものは何か?から考える

そこで、改めて「我が子が釣られるくらい、好きなものは何か?」を考えてみた。
長男は、チョコレートに目がない。
保育園の帰りに「チョコ買いたい、チョコ買いたい」と何度もせがむくらい好きなのだが、健康のことも考え、あまり日常的に与えないようにしているので、長男は「チョコ欲」が高い。
しかし、トイレ1回成功するたび、チョコレート菓子を1箱与えているようではやりすぎだ。
袋入りも、見慣れているので「もう1個!」「もっとちょうだい!」と際限なくせがまれる可能性があるので、今まで見たことがない形状の方が子どももルールを「そういうものだ」と理解しやすい。
そして辿り着いたのが、この冬の季節に店先に登場する「アドベントカレンダー」である!
説明しよう。アドベントカレンダーとは、クリスマスまでの期間を数えるためのカレンダーアイテムで、日付のドアを指で開けると、中にお菓子が入っているのだ。
最近、日本でも普及しつつあり、プラザに行けば1箱800円くらいで買える。
長男はチョコレートが大好きだが、普段あまり食べさせる機会を与えていない。
トイレトレーニングに食べ物を導入するのに衛生面も気になったが、箱に入っているので問題ないし、「トイレが終わった後、きちんと手を洗ってタオルで拭く」ところまでの習慣も身につけられるだろう。
「どんな形のチョコレートが入っているのか、開けてみないとわからない」というワクワク感もある。
「扉を開ける」というルールがあるので、駄々をこねてバカ食いすることも防ぎやすい。
何より、ボックスの見た目が華やかで、最近ではパウパトロールなどの人気キャラクターもののデザインも販売している。
「宗教行事に使われるアイテムを、トイレトレーニングに使うなんて…。」というご批判の声もあるかもしれないが、プロテスタントのクリスチャン3世の私としては、子どもにアドベントカレンダーに親しませるきっかけにもなるし、許容しても良いのではないかと思っている。
トレーニングを見直した結果→1ヶ月で完了!

アドベントカレンダーの効果は、目論んだ通り絶大だった。
長男は、アドベントカレンダーのルールを理解し、トイレに積極的に進んで行くようになった。
そして、アドベントカレンダーを1箱使い終わる頃には、催す前に「トイレに行きたい」と自己申告ができるようになった。
「アドベントカレンダーがなくなったら、また逆戻りになるのではないか」という懸念は当初あったものの、「もうなくなっちゃった!頑張ったもんね〜」と説明すると、特に退行することもなく「催したらトイレへ行く」という行動が習慣として身についた。
トイレトレーニングでお悩みの皆さまは、この冬の季節、ぜひアドベントカレンダーを買って挑戦してみていただきたい。たくさん穴が空いたカレンダーを見ると、「これだけたくさんやったのだ」という自信の醸成にも効果的である。
一見、「ただお菓子で釣っている」だけのように見えるかもしれないが、この施策のベースは、仕掛けを作ることで行動を矯正し、行動を繰り返すことで習慣化させる、心理学の応用だと思っている。
お菓子で釣られないお子さんの場合は、その子が大好きなものからヒントを得て、トイトレアイテムを編み出してみよう。
(※本記事で使用している写真は、いずれも素材サイトの写真です。)
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