非居住者口座に円貨振込する方法まとめ【大変だったわ〜】

雑談

祖母が亡くなった後、2ヶ月分の米国年金が過払いされてしまったため、その返金依頼の手紙が米国大使館から来た。

結論、無事返金できたのだが、その対応(非居住者口座への円貨振込)に苦労したため、金融業界出身者として、もし同じ境遇で困っている方がいたら読んでほしいと思い、ブログを書くことにした。

米国年金について

私の祖父は商社マンだったので、戦後アメリカに3年ほど赴任していた。

当時、妻である私の祖母と、まだ幼かった私の母も帯同した。

アメリカの年金加入期間が1年6か月以上、かつ日本の年金加入期間を通算して10年以上になる場合は、米国年金から退職年金を受け取ることができる

退職年金の満額受給開始は、年齢によって異なる(現時点では、日本と同様、段階的に67歳までに引き上げられている)。

80代の祖父と祖母は生前、毎月数万円程度の年金をアメリカから受け取っていた。

米国大使館の電話は繋がらないと思った方がいい

祖父が亡くなった直後、母が私に「英語の手紙が来てるんだけど、よく分からんから読んでくれ」と手紙を持ってきた。

いちおう私はTOEICスコア870点分の微妙な英語力を持っている(なんとなく900点ないと「英語できます」と胸を張って言いづらい…ペラペラでもないし…)。

手紙を読んでみると、内容は米国社会保障局(Social Security Administration)から来ており、祖父の米国年金の支給金額を通知するものだった。

祖父は亡くなったので、すぐに停止手続きをした方が良さそうだ。

当時、英語ができる祖母は既に入院生活をしていたので対応できなかった。

手紙に記載されていた米国年金のWEBサイトを見たが、どうもソーシャルセキュリティーナンバーなるもの(日本のマイナンバーみたいなものか?)が分からないとWEB上での手続きは出来ないようだった。

これは米国大使館に問い合わせないと済まなさそうだ。

さっそく赤坂の大使館の窓口に電話をしてみたものの、どの時間にかけても、何度かけても、つながらない。

終いには、やっと対応者が出たと思ったらお世辞でも良い態度とは言えない口調で、さらに20分ほど待たされた挙句「今は混んでるので、またかけ直してくれ」という自動アナウンスが流れ、勝手に切れた。

米国大使館の電話回線は、日本の企業のコールセンターを見習ってほしいくらいズサンだと思う。

しかし、アメリカへ旅行に行った際は、小売店で店員がガムを噛んだり、座って雑誌を読んだりしているのを見て驚いた記憶がある。むしろアメリカからしてみれば「日本人は金にならないことに労力を費やしすぎだ」と思っているのかもしれない…。

とにかく、電話でやり取りする気が失せた私は、今度は米国大使館のメールフォームを使うことにした(短気な私は、メールより電話派なのだ)。

問い合わせフォームにも「ソーシャルセキュリティーナンバー」という情報が必須入力項目になっていた。

年金の手紙を見ても記載がなく、母も「そんなもの知らん」というので、とりあえず全部ゼロにしておいた。

フォームには、祖父が亡くなったので年金支給を止めてほしい旨ソーシャルセキュリティナンバーが分からない旨祖父の住所と、名前も記載した。

送信後、自動返信メールだけが届いた。

その後、メールの返信が来た記憶はない。

だが恐らく、あの問い合わせで、年金振込の停止手続きをしてもらえたのだろうと思う。

もしかしたら、私が気づかなっただけで、メールの返信は来ていたのかもしれない。

なぜそう思うかというと、その後、祖母が亡くなった時には何もしないで放置していたら、年金の過払いが発生してしまったからだ(祖父の時は発生しなかった)。

亡き祖母の過払い年金を返金する羽目に…。

祖母の死後、母がまた英語の手紙を持って「なんとかしてくれんか」とやってきた。

手紙は、祖父の時と同じ、祖母の年金支給額の通知だった。

祖父の問い合わせの件で、大使館に死亡通知のメールをしても音沙汰が無かったと記憶していた私は「もしかして、何もしなくても平気なんじゃないの?

まず銀行に行って、祖母の死亡手続きをするでしょ(※)。

そしたら、祖母の口座に年金も振り込めなくなるはず。その頃に、米国大使館から何か確認連絡が来るんじゃない?」と言って放置してしまった。

※銀行口座の名義人が死亡した場合、銀行口座は凍結扱いになる。相続手続をしない限り、口座内のお金を他人が動かしてはいけない。

もし本人の死後、勝手にお金を引き出したりすると、相続税の観点から脱税になってしまうので要注意。

しかし、これが甘かった。

どうやら、母がすぐに死亡手続きをしなかったらしい。

死亡手続きをする際は、書類をたくさん用意しなければならないので、まあ致し方ないことではあるのだが、祖母が亡くなってから11ヶ月たった3月(年度末にチェックしているのだろうか)、米国大使館から母宛に、日本語の手紙が届いた。

内容としては「祖母の米国年金が2ヶ月分、過払いになっているので指定口座へ返金してほしい」というものだった。

母いわく、確かに振り込まれていたそうなのでフリコメ詐欺ではないらしい。

年末に母が病気を患ってしまい、思うように動けなくなってしまったため、代わりに私が返金手続きに動くことになった。

非居住者口座への円貨振込はATMではできない

この米国大使館から指定された口座が、かなりのクセモノだった。

振込先の指定口座が、JPモルガン銀行の東京支店の口座なのだが、JPモルガン銀行は日本国内には法人向け店舗しか設置していない。

よって、直接JPモルガンの窓口に行って現金で振り込む、ということが出来ない。

つまり、日本国内の銀行を経由して手続きをしなくてはいけないのだ。

指定の口座は「非居住者口座」という特殊な口座である。

非居住者口座への振込方法は、銀行によってかなり差がある。

まず、大使館からの手紙に「通常の国内振込みで手続き可能(外国送金として取扱っているところもある)」と強調して書いてあるのだが、このニュアンスが金融機関の実態と乖離しているのが混乱を招く原因になったと思う。

どこの銀行の窓口に行っても、この手紙を見ると行員は「国内送金扱いで出来るということ?」と思うので「まずはATMで振込みできるか試してみてください」と案内されるのだが、ATMでは、この口座への振込はできないのだ。

JPモルガンの口座を指定することはできても、いざ取引しようとすると「相手の口座番号をご確認ください」というエラーメッセージが出てしまう。

しかし、口座番号は合っている。

ATM取引がハジかれてしまう理由は、この口座が「非居住者口座」だからだ。

(JPモルガン銀行の普通預金口座などであればATMで取引が可能なのだろう)

非居住者口座への送金は、マネーロンダリング(犯罪資金の洗浄)を防止するため、どの銀行でも慎重な対応をしている。

海外で1年以上滞在した履歴があり、既に帰国している者は所得税法上、非居住者という扱いになる。

米国にとって、祖父母は既に日本に帰国している「非居住者」という扱いになる。

店頭にいる銀行員の中には、ATMのエラーメッセージに従って「大使館にもう一度、口座情報を確認してください」と案内ミスをしてしまう人もいた(私が対応に当たる前は父が何とかしようと奮闘しており、父が行った銀行では、そう案内されたそうだ)。

父、私とで米国大使館に2度も口座情報の確認を取ったが、間違いないとの返信が来た。

非居住者口座は、外国送金を専門とする外為担当者のフィールドなので、相談先を間違えないよう注意してほしい。

銀行によっては、大きな店舗でないと外為担当者がいないケースもあるので、窓口担当者からスムーズな案内を受けられない可能性がある。

非居住者口座へ円貨を振込む方法

一般的には、国内送金扱いであれば手数料は安く済み、外国送金扱いになると手数料が高くなってしまう。

手数料は自己負担になる上、銀行によって手数料が異なるので、銀行選びは慎重に行ったほうが良い。

私が確認した限りでは、非居住者口座への円貨振込は、メガバンクの中では三菱UFJ銀行のテレビ窓口しか国内送金扱いにならなかった。米国大使館の手紙のニュアンスと、金融機関の実態が乖離していると感じたのは、ここだ。

私は偶然、住宅ローン口座をUFJで開設していたため、幸運にもUFJのテレビ窓口で手続きをすることができた。

UFJのテレビ窓口だと、手数料は700円で済んだ。

その他のメガバンクだと、外国送金扱いになってしまうので手数料が高い。

例えば、住友銀行だとネット利用で1500円、窓口で7500円の手数料がかかる。

海外への送金・外貨建て送金 : 三井住友銀行
外国送金に関するページです。インターネットまたは店頭窓口でお手続きできます。インターネットなら窓口から送金するよりも送金手数料がおトクになります。海外の金融機関へ送金するなら三井住友銀行をご利用ください。

みずほ銀行だと、外為担当者がいる大型店舗に来店予約をして、窓口で手続きを行う必要がある。手数料が8500円もかかる。

海外送金・国際送金を利用したい | みずほ銀行
海外送金・国際送金についてのご案内です。みずほ銀行では、外国への送金、国内あて外貨建送金・非居住者円建送金のお取扱、および外国からの送金のお受取に対応しております。

ゆうちょ銀行も、今年5月から海外送金扱いになるようだ。

非居住者のお客さまに係る国内送金のお取り扱いについて-ゆうちょ銀行

「ならば三菱UFJ銀行の口座を作ろう」と思うかもしれないが、銀行によってはマネーロンダリング(犯罪資金の洗浄)を防止する観点から、外国送金だけを行うためだけに口座開設することをNGとしている。

よって、まずは自分が口座を所持している銀行の、外為担当者に相談するのが手っ取り早いだろう。

どうしても手数料を抑えたい場合は、給与口座や貯蓄用口座という名目で口座を新規開設してから、外国送金サービスを利用するしかないだろう。

※もちろんウソは良くないので、慎重に検討してほしい。

非居住者口座へ振込する際の確認書類

手続きをする際は、マネーロンダリング防止のために確認書類を提出する必要がある。

「なんのために送金するのか」「資金の出所はどこか」を確認するのだ。

銀行によって提出書類の種類は異なるが、三菱UFJ銀行のテレビ窓口では、大使館からの手紙と、通帳の入出金履歴を提出した。

他の銀行だと、マイナンバーカードなど他の書類も求められることがあるようだ。

詳細は銀行のサイトで確認するか、事前に電話などで確認することをお勧めする。

なお、米国大使館からの返金依頼の手紙は、当初、私の母宛名義で来ていた。

この手紙だと手続きが出来なかったので(※)、米国大使館にメールフォームで事情を説明し、私宛名義で手紙を再送してもらった。手紙の再送には2週間ほどかかった。

※手紙の名義が母宛、手続きをするのが私となると「代理送金」扱いになる。UFJでは、外為の代理送金はマネーロンダリング防止の観点で取扱い不可だった。

最後に

以上が、父と私で1か月かけて銀行を4行も渡り歩き(しかも子連れ)、米国大使館とやり取りをしながら手続きを完了させた成果である。

今回は私が育休中だったので平日も動き回れたものの、もし就業中だったら、きっと大きな頭痛の種になったことだろう。

もし同じ要件で悩んでいる方がいれば、お役に立てると嬉しい。

というか、そもそも米国年金を停止するスムーズな手続き方法を知っている方がいたら、ぜひアメブロかウィキペディアで発信してほしい。

そして、最近は海外で働く人も非常に多いと思う。海外滞在歴が1年以上あり、将来、滞在国から年金を受給する予定がある人には、くれぐれもお願いしたい。子孫のことも考えて、生前整理をしておいてくれんか。

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